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August 21, 2011

「即独」のススメ


こんな記事があった。


【社会】“新司法修習生”就職難が加速 弁護士志望の43%未定


当たり前だ。


そもそも事件数が減っていて、
焼け太った債務整理専門事務所だって
先行き真っ暗なこの時代に、
就職先などあるわけがない。

無責任にロースクール万歳を唱え
旧司法試験組を迫害した連中は
その責任など取るはずがない。


じゃあどうするか。

自分を安売りして
どっかに潜り込めばいいのか?

どっかに帰属して
誰かに守ってもらわないとダメな人間は
どこまでも安売りすればいいだろう。


あなたという人間ではなく
弁護士バッジというものに
いくばくかの金を払って利用したい奴は
まだまだたくさんいるだろうから。

軒先を借りて
頭を下げながらひっそり居場所を確保すればいいのか?


世間体だけを気にして
世間体のためなら泥水でも「美味しいです!」と
飲める奴はそうすれば良いだろう。

じゃあ、
どっちも嫌な人間はどうすべきか。


弁護士登録と同時に
独立すれば良い。


いわゆる「即独」だ。

新司法試験組の人達は、
どっかに帰属したいと思う方が
多いのかもしれないが。

そもそも
組織に属したいなら
大卒時に就活した方が
よっぽど良い組織に行けただろう。

弁護士事務所なんて
世間知らずの人間が経営する零細企業で、
組織としては論外のレベルのところがほとんど。

村社会では有名な
四大事務所だって、
いわゆる一流企業に比べたら
知名度なんて全然ない。

ましてや街弁なんて
事務所名で反応してもらえるのは
CMを垂れ流している一部の事務所だけだろう。

そんなところに属するために
自分を安売りして本当に良いのかい?

ロースクールに
若い時代の大切な時間を使い、
親に無理言ったり借金したりして
たくさんのお金を費やして、
その結果が「自分の大安売り」で本当に良いのかい?


嫌だと思ったら
最初から自分の腕で
勝負かければ良い。

私自身、
まもなく弁護士登録から
丸2年が経つが。

勤務弁護士時代の
1年7か月は
本当に無駄な時間だったと思っている。

弁護士登録直後の
2009年9月の記事
2009年10月の記事
ご覧いただければわかると思うが。

最初から違和感と嫌悪感を感じ、
全く場違いなところに来てしまったと思い、
毎日辞めようと思っていた。

でも動けなかった。

自分の決断力が無かったからだ。

本当に情けない限りだ。

それから1年以上経って
ようやく見切りをつけて
独立することになったわけだが。

ぶっちゃけ
その時に独立しようが
今年の4月に独立しようが
何かが変わったわけじゃない。

その間弁護士バッジの対価をもらって
未来の無い無駄な時間を延々と過ごしていただけだ。


むしろ
無駄に時間を過ごした分だけ
数え切れないほどのビジネスチャンスを
逃しまくってきた。


本当に自分が残念でならない。


独立してから、
余計なストレスや足かせも無くなり、
極めて快適に仕事ができている。


経営的にも極めて順調だ。

弁護士一人という
既成概念からすれば不安な体制も、
色んな工夫をすれば
最強の体制に変化しうるという
自信が確信に変わりつつある。


それまで1年7カ月で学んだことの
(仮にあったとすればだが)、
何百倍ものことを
独立してからこの間に学び、
そして何万倍も自分自身成長している
手ごたえがはっきりある。

「もっと早く独立していれば」。

このブログでも何度も書いているが
その強い後悔だけは消え去る事はない。

弁護士登録直後の自分の
情けない決断力の無さを
何度嘆いたことか。

でも嘆いても嘆いても
人生で一番大事な「時間」は
戻っては来ない。

この間逃してしまったビジネスチャンスは、
二度とそのままの形ではつかみ取る事はできない。

「即独」というと
修習の教官とか
弁護士会のお偉方は
あまり良い顔はしないだろう。

当たり前だ。

奴らは古い制度で
古いしきたりを守って
古い価値観を持っているからこそ
その立場にいるのだから。

だけど
弁護士業界を取り巻く環境は
激変している。

昔みたいな
いわゆるギルド的な
価値観では
この先生き残っていけない。

殺伐とした「潰し合い」の時代が
もう始まっているんだ。

護送船団の中の
小船として弁護士人生のスタートを切ったとしても、
いつ周りの不沈艦と呼ばれていた船が
波に飲み込まれて沈没するかわからない時代が。

そんな荒波が押し寄せた時、
これまで周りの船に守られてきただけの小船に
何ができるというのか。


米つきバッタのように大御所にペコペコして
村社会での自分の地位と評判だけを気にして
ごますりだけが得意になった小船に
何ができるというのか。


何もできるはずはない。

そこに力はないからだ。

幸いなことに
「即独」をするには
まだまだ良い環境だ。

50期代後半の短期独立者の多くは
過払いバブルで儲けただけの脆弱な基盤しかないし、
60期代の人間の多くは
「イソ弁」という「ぬるま湯」に使っている。

「イソ弁」の多くは、
たまにある弁護士会の相談当番で個人事件をやり、
「お金がたまってからいつかは独立」などという夢(笑)を漠然と抱いているだけで、
くだらん同期のうわさ話などに花を咲かせて時間を無駄にしているだけだ。


債務整理専門になっちまった
事務所の経営者だって同じ。

弁護士会の相談当番で
労働事件の使用者側を担当して
顧問を狙うなんて
まさに債務整理の事件しかやったことのない人間の
おとぎ話的発想だ。

過払いバブル時代に
法外な報酬を奪い取り、
安易なビジネスモデルの上にあぐらをかいて
その先を見据えた営業努力を怠った連中に待っているのは、
まさにバブル崩壊後に消えていった数多くの企業と同じ末路。

今更あがいても時すでに遅しってわけ。

結局
そこらへんのレベルの人間には
ストラテジーなど何もありゃしないんだよ。


こんな勝負をしかけやすい
業界なんて他にはなかなかないだろう。

仮に今年修習を終えた人がすぐに独立したとして
1年経った後、
「イソ弁」でぬるま湯につかっていた人間のふやけた脳みそと
即独で死ぬ気で頑張っていた人間のしまった脳みそとでは
大きな違いが出ているだろう。


その差は
その時間が経てば経つほど大きくなるだけだ。


「即独」に踏み切れない
大きな問題として、
「失敗を恐れる」という不安があると思う。

特に司法試験合格者みたいな人間は、
一般的な母集団と比べて
極度に「失敗」を恐れるのだろう。

だけど
イソ弁だったら失敗しないのか。


そんなことはないはずだ。


失敗をしたら全部だめなのか。


しっかりリカバーすれば良いじゃないか。


それだって力の一部なのだから。

自分を捨てて
村の中で静かに生きたいのなら
勝手にそうすればいい。


私はそういう人間とは
根源から合わない。


何も言うつもりもないし
言われる筋合いもない。

でも
自分の誇りや尊厳を大事にしたいのなら
絶対に自分の安売りは今すぐにでも止めた方が良い。

自分の力で勝負をかけられない
臆病者の「助言」や「忠告」に耳を傾けている暇があったら、
どうやって生き残っていくかをギリギリまでシビアに考え、
そして実行する時間に当てるべきだ。

いわゆる起業家の多くは
そうやって日々真剣勝負を続けている。

そして勝負から逃げずに
戦い続けた者だけが成功を掴めるのだと思う。

バッジがありさえすれば
金がどんどん入ってくるなんて妄想を抱き、
努力を怠る奴に成功はつかめない。

どの世界でも当たり前のことだ。

「食えないかも」と不安に負けて
動き出すことのできないチキン野郎に
成功のチャンスは訪れない。

これも当たり前のことだ。

即独だけがリスクを背負うわけじゃない。

何年イソ弁やっていようが
ダメな奴は食っていけない。

勝負の世界だから極めて当たり前のことだ。

それを
「お金がたまってから」などと言って
ウジウジ動けない奴らがたくさんいる今だからこそ
仕掛けるには最高のタイミングだ。


勝負に修習期の上下なんて関係ない。

やったものが勝ち、
やれないものが負ける。

極めてシンプルな世界だ。

私だって
弁護士登録から2年ぽっちで、
独立してまだ5カ月弱。

村社会的には偉そうなことを語れる身分ではないのは
百も承知だが。

「即独」に踏み切る事が出来なかった
一人の人間の失敗談として、
時間を無駄に過ごしてしまう未来の弁護士が一人でも
減る事を心から祈っている。

最後に自戒の念も込めて一言。

「優柔不断は、しばしば、間違った行動より始末に負えない」。

第38代アメリカ大統領、ジェラルド・R・フォードの言葉。


お互い、頑張っていきましょう。

そんな感じで。


ではまた。


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