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October 08, 2008

発表前夜ですね

こんばんは。


というわけで
あしたは論文の合格発表ですね。


私も
去年までの4年間、
毎年毎年発表前夜は
なんか神妙な気持ちで過ごしていたので
受験生のみなさんの心境もよくわかります。


あれなんだよね。


発表前夜というのは
待ちに待っただけに
「いよいよあしただ!」という
妙な高揚感と
「大丈夫かな?」という
不安感が
微妙に混ざり合った感じなんだよね。


去年の私も
そんな感じでした。


まあバックナンバーを見てもらえば
わかると思うんだけどね。


なんか不安ばっかりで
無駄にブログを更新していたんだよね。


あれからもう1年経つと思うと
本当に年月の流れの
速さを感じるんだよね。


去年の発表日。


私は
初めて名古屋で
発表を迎えた。


東京とは違って
周りの雰囲気も
いつもの平日そのもの。


地下鉄乗って
発表見に行ったんだけど
近くの駅から
人の流れとか
全然出来て無くて
「これでいいのかな?」と
プリントアウトした地図を
手元に見ながら
歩いた。


発表場所に着いたのは
発表の15分ぐらい前。


無駄に早く着いてしまったので
喫煙所でタバコを吸って
時間を潰していた。


音楽は
サラ・ブライトマン。


高音のヴォーカルが
心地よかった。


発表の5分くらい前、
職員の人たちが
ちっちゃな
本当にちっちゃな
掲示板みたいな
「板きれ」を
建物の玄関前に運んできた。


東京の
しかも
1500人時代の
大きな大きな掲示板を
見慣れてきた私にとっては
その小ささに驚いた。


板の表面には
番号を隠した紙。


時を止める役割を
果たすその紙は
とても分厚く感じられた。

とてもじゃないけど
平静を保っていられなくて
私は
その「板きれ」から
ちょっと離れていたところで
晴れきった秋空を
眺めていた。


「どうなんだろう?」


そんなことを
考えていたら
息苦しくてたまらなくなった。


午後4時ちょうど。


職員の人が
「板きれ」の表面の紙を
ざっとはがした。

時が動いた。

ようやく動いた。

その様子を
遠くで見ていた私。


とてもじゃないけど
すぐに見る気にはなれなかった。

暴風の中
「不合格」という
その重さを実感しないまま
淡い期待を完膚無きまでに
叩き潰された平成16年。

土砂降りの湘南で
真っ黒な海を眺めながら
涙に暮れた平成17年。


東京から名古屋に向かう
新幹線で絶望に暮れた
平成18年。


そんな3度の地獄を
感じてきた。


頭で。


そして
体で。


とてもじゃないけど
足が動かなかった。


どれぐらい
時が過ぎたのだろう。

掲示板の前にには
次々に来る人の流れ。

覚悟を決める時が来た。

耳から流れる音楽。

元気ロケッツの
「Heavenly Star」に
変えた。

イントロから
Aメロ、Bメロを聴き
サビの部分で
掲示板に向かった。

一歩一歩。

その足は
本当に重かった。

自分の番号のない掲示板。

わずかな期待が
完全な形で潰される掲示板。

そんなものを何度も見てきた
自分にとって
その道はまさに
絶望への架け橋。

ぼんやりと
掲示板の数字が
見えてきた。

私の論文の
受験番号は
一桁。

掲示板の
おそらく一番上にある番号だけを見つめて
おそろしく心拍数の上がった状態で
動かない足を必死に動かした。

「6」。

何度も何度も
頭の中で反芻した
その番号が
ぼんやりと
見えてきた。

「何かの間違いじゃないか?」。

予想していた絶望と
異なる現実を
全然受け入れられない自分は
もの凄く混乱した。

もう1回
焦点を定めて
掲示板をのぞき込んだ。

確実に
「6」という数字が
無機質に、
だけど
しっかりとした
輝きを持って
目に飛び込んできた。

足が震えた。

心拍数は
限界を超えた。

息が苦しかった。

とても苦しかった。

気がつかないうちに
たくさんの涙が
目から流れていた。

掲示板を離れて
敷地内の
芝生に寝転んだ。

空は青かった。

ひたすら青かった。

携帯で。

パートナーに電話した。

「ウソ-!?ホントー!?
マジでー!?キャー!?」

職場にも関わらず
心からの
叫び声が聞こえた。

何度も何度も
自分の涙を見て
そして励まし続けてくれた
パートナー。

自分と同じように混乱していた。

「また電話するから」。

そんなわけのわからないことを言って
なぜか電話は切れた。

「口述模試の予約をしなきゃ」。

携帯からかけたのは
辰已の名古屋本校。

「おめでとうございます」。

何年も何年も待った
祝福の言葉を
思いがけずに
かけられた。

うれしさのあまりの
嗚咽で途切れ途切れになりながら
住所などを言って
無事に予約が終わった。

寝転がっていた芝生から
いろんな人に電話をかけた。

顔は汗と涙でぐしゃぐしゃ。


「これから会議だから近くで
時間潰しておいて」。

そんなメールで
やっと動き出せた。

とてもじゃないけど
信じられないから
写真を送れという
慎重すぎる要求をぶつけられて
携帯で写真をとった後
発表会場を後にした。

足が軽かった。

信じられないほど軽かった。

呪縛。

ここ何年も
苦しんだ呪縛から
ようやく解き放たれた体は
宙に浮いてるようだった。

時間を潰すと言っても
会場周辺は官庁街。

携帯でブログを書きながら
夕陽の方向へ歩いた。

名古屋城。

平成18年の不合格の後、
なぜか来た城に向かっていた。

適当に腰掛け
夕陽を眺めていた。

徐々に徐々に
地面に近づき
弱まりゆくそんな
夕陽を眺めていた。

綺麗だった。

本当に綺麗だった。

次々に来る
ブログのコメントに
涙した。

地下鉄で
パートナーを迎えに行き
再び会場に戻ってきたのが
午後6時すぎ。

とっくに暗くなった会場で
小さい板に張られた番号を見ながら
長かった長すぎた
時をともに振り返った。

深夜。

自宅に帰る
タクシー。

流れるラジオから
リップスライムの「One」が
流れてきた。

この曲を聴いていたのは
仕事を辞める前。

通勤で使っていた愛車で
毎日のように聴いていた。

あれから
長いときが過ぎていた。

迷い。

決断。

絶望。

再起。


決して短くない
受験生活で
見てきたもの
感じたもの
そんな色んなものが
頭をよぎった。


見つめていたのは
多数の車のテールランプ。


勉強を始めたときには
考えもしなかった土地で
ようやく動き出した現実。


涙がすっと流れた。


あれから1年。


あっという間の1年。

止まったままの時計が
ゆっくりと動き出した
あの時から。


今年
論文を受けたみなさんの
大きな花が
見事に咲くことを
祈ってます。

そんな感じで。

ではまた。


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