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July 20, 2004

論文式試験

こんばんは。

きょうはとっても暑かったですね。
昼前に目覚めて
クーラーをとめて窓を開けたら
中華料理の店の厨房みたいな
熱気が入ってきたので
あわてて窓しめました。

きょうは何も出来ず
事前の予定をキャンセルして
家でゆっくりしていました。

もうとっても昔のことに感じるけど
壮絶な2日間だった論文試験について振り返ります。

             ・
             ・

試験日の前日から私は会場にやや近いホテルにとまった。
家からでも30分ぐらいで早稲田まで行けるんだけど、
万が一寝坊した場合にタクシーで10分ぐらいの距離にいた方が
安心出来るし。

前日は夕方にホテルにチェックインしてから憲法、民法、商法を
ちょこっと見直して近くに夕食に。

帰った後も勉強をしていたら
予想通り寝れなかった。

ちょっと焦った。
焦りが眠りを遠ざけた。
で、眠りについたのが4時前ぐらい。

7月18日。論文1日目。
午前7時前に目が覚めた。
とっても強烈な日差しが窓越しに見えた。
長くそして暑い1日の始まりだった。

不思議と緊張感はなく、
むしろこれまでの疲れがどっと出ている感じだった。
頭がとっても重かった。

こんなもんなのだろうか。
なぜか気分が盛り上がらない自分が
とってももどかしかった。

ホテルを出て地下鉄で早稲田の駅へ。
地下鉄に乗っているほとんどの人が早稲田で降りたのが
少し笑えた。

普通の人間は三連休の中日の朝早くから
東西線には乗らないものだ。

駅から人の流れに沿って歩く。
道中は択一の時と同じように予備校の人たちがたくさん。
朝から容赦のない日差しと暑さに
その呼びかける大声が拍車をかける。

さっさと一通りのものをもらって
大学へ歩いた。

正門前。
岩崎講師が目立っていた。
そして伊藤真も目立っていた。
他に何人か名前は知らないけど
講師っぽい人がならんでいた。

こうやって足を運んで受講生に声をかけることは
とっても重要だと思った。
司法試験の講師としてメシを喰っているなら
それぐらい当たり前だろうと思う。
たとえ三連休の中日でも朝早くても
ああやって声をかけるのは大事なことのはずだ。

一応柴田講師も探したが見あたらなかった。
もしかしていたのかもしれないが
背が低いので見つからなかったのかも。
たぶん「機械的」な講師にはそういうことは必要ないんだろうね。
給料だって出ないだろうし。
でもさ、そうやってなんでも割り切れるもんじゃないだろうって。
世の中っていうのは情で動く部分ってまだまだ多分にあるんだからさ。

並んだ講師たちを見直しながら
構内へ進む。

会場を確認すると15号館。
結構正門から遠かった。

構内では択一の時と同じように
ありとあらゆるところで勉強している人たちの姿。
私はとりあえずタバコをすって
その近くのイスに腰掛けた。

択一の時と同じように脳みそが動いていなかった。
単に勉強の量だけのせいではないと思う。
本試験を前にした緊張、それまでの日々で感じた焦りや不安、
そして肉体的、精神的な疲れ。
いろんなものが脳みそを固めていた。

15号館という建物はとっても古くさくて嫌な雰囲気の建物だった。
建物に入るとやはり受験生の姿が。
床、階段、トイレの前、あらゆるところが
人で埋め尽くされていた。

私自身もそうだけど
ここにいる一人一人の人たちが
背負っているものや
抱えている思いを考えると
息が詰まりそうだった。
試験が始まる前からなんか疲れ始めていた。

試験室のある階まで階段を進むごとに
気温が上がり、空気が薄くなっていく感じだった。

薄い頭痛と目の疲れを感じながら
もう一刻も早くこの場からいなくなりたい気分。

午前9時。教室へ入室。
かなり広い部屋だった。
私の番号のある前の方の席へ。
階段教室の常だが前の方は照明のついた
天井からの距離があるためかなり暗い。
正面には眼鏡をかけ、髪の毛を7,3に分けた職員が座っていた。
規律を重んじる顔つき。

机の上には答案用紙と法文が。
薄いブルーのいい感じの色だなと思った。
これをもらえると思うと少し気が楽になった。

前は女性。
後ろは鞄をどんと机に置いて
無駄に机を叩く感じの壊れ気味の男性。
遅れてとなりの人が入ってきた
かなり太めの人だった。

問題が配られる。
「人権のあてはめ頑張るぞ」と
私は開始前から無駄に肩に力が入っていた。

午前9時30分、憲法の試験開始。

1問目でやりすぎる。
2問目は心臓がバクバクしながら焦って書いた。
終了15秒前に書き上げた。

終わった後少し膝がふるえた。
本試験ということで無駄に力が入って、
かっかなっている自分に気づく。

予想通りというか右手の痛みが再発した。
中指、手の甲、上腕部。

昼休み。
前日に買っておいた栄養食品を食べたあと
居場所を見つけるのにさまよった。

予想以上に暑く、
そしてあらゆるところの空気が悪かった。

さまよいが疲れを増した。

しばらくして風の抜けるいい場所を見つけ、
そこで民法を見直そうとするも
文字を読むと吐き気がした。

午後0時45分、民法開始。

照明が弱くて暗いせいもあるが、
目が疲れていた。

午後2時45分、民法終了

試験ごとに階段を下りて
トイレに並んで
階段を上がって
試験室前で扉が開くのが
待つのが本当に辛かった。

何度か論文を経験して
休み時間の立ち居振る舞いを
わかっている人たちがうらやましかった。

午後3時30分、商法開始。
午後5時30分、商法終了。

1日目の試験が
何がなんだかわからないうちに終わっていた。
もうなんか取り返しのつかないことをしてしまった気分だった。

終了後タクシーをつかまえようとしたが、なかなかつかまらない。
ようやくつかまえたタクシーも道を知らずイライラがつのる。
ついに切れてホテルから離れた場所で降りてしまった。

なんか1日目にして叫びたい気分だった。
泣きたい気分だった。

ホテルに帰ってからLが住所とか書かせて配っていた
訴訟法ファイナルチェックを読もうとしたが
民訴1問目の証明責任でイヤになった。

近くのイタリア料理の店で食事。
なんかいろんな思いから美味しいはずの料理が
美味しく感じられなかった。

「あしたで終わる」と思っても
ちっとも気分は晴れなかった。

「お前はもう死んでいる」
そんな言葉がぴったりの夜だった。

ホテルに帰ってから早めに湯につかり、
12時前にはベッドに入った。

この日も
やはり眠りは遠かった。
いろんな思いが頭をかすめた。
思いがかすめればかすめるほど眠りは遠のいた。
頭の中が軽いパニック状態になってしまったので、
気分を紛らわそうとテレビをつける。
サザンのライブをやっていた。
「メロディ」の曲がなんだかとっても心に染みた。
涙が流れてきた。
いつの間にか眠りに落ちていた。

7月19日。論文2日目。
この日は6時前に目が覚めた。
結局二日とも目覚ましは必要なかった。
この日はホテルで朝食をとった。
今日で終わるという思いは
きのうの手応えの悪さから
ほとんど沸いてこなかった。

昨日の反省を活かして
この日はホテルからタクシーで向かった。
前の日もこうすればよかったと悔やんだ。

正門前にはきのうと比べ講師の姿はほとんどなかった。
それでも伊藤真は立っていた。
どんなに掲示板などで悪口を言われても
こんなに朝早くからしかも2日目までちゃんと
受験生に声をかける姿勢は本当にすごいと思う。
本当は彼みたいな頂点にいる講師ではなく、
ペイペイの講師達がやらなくてはいけないことを
彼は淡々とやっている。
自らの職業に対する意識が全然違うんだよ。

で、きのうと同じ15号館。
前の日は癒し系の音楽を聴いていたんだけど
この日はガンガンにサンボマスターなどを
かけていた。
勝手に盛り上がりながら教室へ。

午前9時30分  刑法開始。
午前11時30分 刑法終了。

再び右手に激痛が走った。
冷えぴたを貼りまくってとにかく冷やす。

1日目と違ってこの日は
少しは間の時間の過ごし方がわかっていた。

私は昨日見つけた場所でノンビリと食べながら
暑い夏の風と日差しを感じていた。

もう休み時間に勉強なんて出来なかった。
ガリガリ君を売っている店を探す余裕もなかった。

音楽を聞きながら自分を応援してくれた人たちのことが
頭をよぎった。

組織を離れ勉強に専念させてくれたことへの
感謝の気持ちが次々に出てきて
涙をこらえるのに必死だった。

午後0時45分 民訴開始。
午後2時45分 民訴終了。

民訴が終わったあと、
いつもの喫煙スペースの人たちの表情が
微妙に変わっていた。
「あと1つだ」って気分がそうさせているのかもしれない。

試験に限らず苦しいことはとっても嫌だ。
でも終わりが見えてきた時のなんともいえない気分は
そういった苦しさを味わわずして手に入れることはできない。

刑訴が始まる前になって
ようやく気分が落着いた感じがした。

午後3時30分 刑訴開始。

最後の2問になってようやく調子が出てきた感じだった。
択一の時もそうだけど私はつくづく駄目な人間だと感じた。
頭が動くのが遅すぎるんだよ、いつも。

痛みで字が書くスピードが落ちたため
刑訴もギリギリまで書いた。

終了2分前に書き終わり天井を見上げた。

午後5時30分 刑訴終了。

規律を重んじる顔の試験が「2日間長い間の試験どうもお疲れさまでした」と
言ったのが心にひびいた。

終了後みんなの顔が晴れていた。
喫煙所ではみんなことごとく空を見上げて煙を吐いていた。

暑い夏の夕暮れ時のなんとも言えない解放感。

ただその解放感は私の中では
100%満足出来るものではなかったのも確かだった。
事前に予想していた解放感にはほど遠い
複雑な思いだった。

この複雑で微妙な解放感は
たぶん一生忘れることはないと思う。

やるべき時にちゃんとやれないと
とっても気持ちよい解放感なんて味わえないもんだ。

いくら「終わった」って口にしても
いくら表情が明るくなっても
いくら酒を飲みながら試験と違う話をしても
そんな嫌な思いは心の底にたまっている。

そしてそれは
どんなにごまかそうとしても
確実に心に頭に残っている。
かき回せば解放感の底にかくれた
いろんな反省が心と頭を占めてしまう。

私が味わえたのはそんな表面的な解放感にすぎなかった。

終わって1日以上がすぎた今でも
私はそうやってかき回すことが怖くてできない。

だから答案構成とか各問題の感想とか
絶対書けない。

「試験が終わった」という
表面的な解放感にひたることしかできない。

ある意味辛い状況だよ。
想像していたのとは全然違う。

はっきり言って
燃えて燃えて燃え尽きて
その燃えざまを評価してもらうには
ほど遠い手応え。

動かない脳みそと
暑さの疲れから
冷静さを欠いた状態で
時間に焦って書き殴ってしまったのではないかという思い。

論文を受けて
初めて司法試験が過酷な試験だと言われる意味が
分かった感じがした。

すまないけど
今の私はこれ以上試験の内容については書けない。
本当に思い出したくないんだよ。

「終わったら少し休もう」と思っていたけど
今はとてもそんな気分じゃない。

そんな嫌な感情を少しでも薄めるには
また勉強を始めるしかないんだと思う。

そうやって前に向かって一歩でも進んでいくことで
このとっても嫌な解放感から
再び「解放」されないととてもじゃないけど
やっていられない。

こんな状態になるなんてって感じだよ。

というわけで
また一から出直し。
返すべき借りが一つ増えた感じ。

なんだか情けないね。
笑いたかったら笑ってくれ。

また長文になってしまった。

読んでくれてありがとう。

そんな感じで。

これからもよろしく。

ではまた。

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受験日記」カテゴリの記事

Comments

お疲れ様でした。

ぷーさんお疲れ様。
ずっと日記読んでました。
以前ローラー答練について質問したlotsuですって覚えてないか。

私は択一無視して論文対策に3月末まで突っ走ったためあえなく択一落ちしました。
落ち込む資格もなく、ただ猛反省して、今淡々と勉強してます。

いつもぷーさんの日記には密かに励まされてた気が。
むっとして、嫌なら読まなきゃいーじゃんという言葉に従ったこともあったけど、でも励まされてました。

これからもこっそり隠れファンとして読み続け、応援しつつも負けまいと自分を奮い立たせる材料にしたいと思ってます。

ほんと、お疲れっした☆

御疲れさまです。私は「択一落ち」なので、ここに書くこと
は自粛していましたが、もしよくなかったとしても、あなた
だったら来年は必ず合格できると思うので、挫けないでね。
残念ながら「勝負強さ」は「おあずけ」になってしまった
かもしれないけど、ここを越えてほしいと思います。

私も自分自身にいつも言い聞かせていますよ。
「もっと成長できるはずだ」と。
頑張ろうね。

↑ごめんね。送れないから、何度もクリックしてしまったよ。

 どうもお疲れ様でした。
限界まで自分を追い詰め追い詰めやっているからこそこんな風な日記がかけるんだと感じました。涙が止まりません。今の自分の状態のふがいなさからなのか、伊藤真塾長の話のところからずっと涙が止まりません。
いま、改めて、ぷーさんの言っている「淡々とする」ということの意味がわかったような気がしました。
 では、おやすみなさい。
 ほんとに、お疲れ様でした。

ぷーさん、お疲れ様です。

ずっと日記を拝見しており、ぷーさんの頑張る様を発奮材料としていた者です。
はじめてカキコします。私は今年で論文2回目受験です。

論文を受けてはじめて司法試験の大変さが分かりますね。
ただ悲観されないほうがいいと思いますよ。
現在修習行ってる私の友人も、その同期の人たちも、
成績開示請求したら、G取っても合格してる人が実は結構いる、って言ってますし。
「できたと思って受かった」人よりも、「できなかったと思って受かった」人の方が断然多いそうで、
主観は全く当てにならないみたいですし。
そりゃそうですよね。私達は試験委員じゃないんだし。

今は私もそうですが論文の後遺症を心身ともに癒しながら、またゆっくりと立ちあがっていきましょう。

本当にお疲れ様でした。

ぷーさん、はじめまして。
日記の方、はじめて拝読しました。
同じ元社会人なのに自分に対するストイックさの違いに、甘ちゃんな自分がただただ恥ずかしくてなりました。
来年は私も論文試験を受けて和光に行きます!
誰かを励ましたりするために日記を書いていない、ということですが、単純思考の私には十分励みになります。これから愛読させて頂きますね。
最後になりましたが、論文試験お疲れ様でした。

みなさんコメントありがとう。
受験仲間が一人もいないので
こうしてみなさんからコメントをいただけるのが
本当に嬉しくて涙出そうです。

◆アマケンさんへ

お疲れさまでした。
申し訳ないのですがアマケンさんの感想、試験の内容が書いてあるみたいなのでちゃんと読んでません。また壊れ気味の
寒いギャグお願いします。

◆lotusさんへ

覚えていますよ。お久しぶりです。
私も論文で全然ダメダメだったので「落ち込む資格」がありません。すぐにでも追いつくように頑張ります。
8月からローラーを受けようかと思っていますし。
これからもよろしくね。

◆U氏さんへ

コメントもありがとうございます。
U氏さんがいつも書いていることですが、精神面も大事だなと実感した2日間でした。U氏さんのHPも拝見しているので、これからも面白い記事お願いしますね。

◆ kaomayaさんへ

コメントありがとうございます。
HPがsumeruにリンクされたのですね。読むHPが増えて
楽しいです。同世代ということですが、第二次ベビーブーマーとして頑張りましょうね。まだまだ若い者には負けていられませんもんね(笑)伊藤真の姿勢には私も感動しました。
人間はああじゃなきゃいけません。
これからもよろしくね。

◆無辜の僧さんへ

初めまして。コメントありがとうございます。
私は「悲観」というよりちゃんと力を出せなかった自分が
腹立たしいので「悲観」のレベルまで行けなかったんですよ~(笑)本当に論文はきついですね。さっき知ったのですが、15号館は「奴隷船」っていうのですね(笑)最悪の環境を満喫しました。
まあ結果は試験委員が私の答案をどう見るかなんですけど
結果以前に自分自身がダメダメだったので悔しくて仕方ありません。これからもよろしくお願いします。

◆zerodogさんへ

コメントありがとうございます。
いやいや私の方が自分自身への甘さを実感した2日間でした。心も頭もベストに近い状態で強い状態でないとダメですね。試験前から感傷に浸っていた時点で私は甘さが出てしまったようです。この3日間、1日中音楽かけてぼーっとしていたら少し元気出てきました。これからもよろしくお願いしますね。

◆かおるさんへ

コメントありがとうございます。初めまして。
2日間の論文受けて気づいたのですが、自分へのストイックさってあんまりもたない方がいいかもしれません(笑)私はなんか最後の方になって切れてきてしまった感じがするし。
かおるさんも元社会人なんですね。なんか最初の方とか仕事の事書いていたから元社会人ならわかっていただける部分とかありましたか?日記の方は駄文ばかりで申し訳ないのですが、これからもよろしくお願いします。

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